ちょうどあの頃、山頭火の詩(自由律俳句)
「雨ふるふるさとははだしであるく」
を詠みあげた心(句意)を図りかねていた。いまから半世紀前のことだ。豪商の家に生まれ何不自由のない暮らしから一転してどん底に落ちた彼。自宅の井戸に身を投げた母への想いとはなんだったのか。妻子を捨てて出奔した。何と言う奴だ。そう思いながら冬の石見銀山を歩いていると、この写真の古井戸に出会った。
今ようやくその境地を理解できそうな気がしている。
「さてどちらに行かう風が吹く」
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