忘れられない飛行機がある。オランダ製造の”フォッカー60”。ターボプロップの力強い上昇力と小回りの利く俊敏な機体。客席のレカロ皮シートも一番の出来だった。プロペラ音の周波数が自分に合っていたのだろうか、心地よいトルクを感じさせるエンジン音。
乗ったのはチューリッヒを発ちハノーバーまでのスイスエアー・ヨーロッパ路線。
フォッカー社は第二次世界大戦まえにドイツで生まれたが、ドイツの敗戦によりオランダに接収された。我が国にも名機「零戦」、「YS-11」を生み出した中島飛行機がある。両社とも敗戦後、解体の憂き目に遭ったが技術者は生き残った。重要な設計図面などはGHQが持ち去ったそうだが。