線状降水帯の恐怖

一瞬で暗くなってきた。フロントウィンドウに打ち付ける大粒の雨。あまりの激しさに車は進路を見失う。方向感覚まで奪われたが、後続のトラックは押し寄せてくる。こちらはブレーキも踏めない。逃げようとハンドルの急操作はさらに危険を招く。前方を走るトラックは尾灯も点けず、自車との車間距離すらわからない。

車のワイパーをハイスピードにしてもガラス越しに雨粒しか見えない。アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)をセットしてもレーダーは反応せず。エラー表示が点滅するだけ。いよいよ僕は追い込まれ、並走するトラックから逃げようと路肩寄りを走行しながらインター出口まで持ちこたえた。5分ほどだっただろう。悪夢がいまだによぎる。

画像はNHKニュースより

これが7/19の昼前後、名神高速道路近江八幡付近を走行中の出来事だった。かつて淡路で深い霧に巻き込まれたことも何度かあったが、今回の雨による恐怖感とは比べものにならない。気象庁発表によると、その時刻に線状降水帯がここ近江八幡あたりを通過したようだ。

このような経験を通して分かったこと。車の(自動)運転支援装置は、突発的な環境変化の下で全く役に立たない。

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