村上春樹と鹿島田真希

先日「冥途めぐり」は斜め読みで一時間とかからず読み終えてしまったが、次の鹿島田の作品「99の接吻」(2015河出文庫)には衝撃を受けた。シスターコンプレックス、レズビアンをさらりと描いている。さらにバイセクシャルな世界を垣間見るだけで十分価値があると感じた。今の時代に読んでおきたい名(迷)作かもしれない。覚悟して読むべし。

かつて紹介した村上春樹著「女のいない男たち」(2022年文春文庫)と比べるべくもないが、その男女感を並べてみると、別の意味が見えてくる。

鹿島田の前では、大作家村上の新刊「女のいない...」が、ただの陳腐な親父趣味に見えてくる。

鹿島田作品のほうが、村上のそれより7年も前に描かれているのだから驚く。

遺伝子自体が違うのだろうか。地球外の生命体が描いたのだろうか。

 

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