町家の並ぶ祇園、坂道ばかりの八坂。その路地裏にいたるまで「京都」を感じる。京都には余分な色彩がないほうがいい。
モノクロは観る人それぞれの想像力を刺激する。一方デジカメは彩度を強調したり、トーンの調整を、CPUによる後加工に頼っている。事実、カメラに搭載されているカラーエンジンは、撮影者がシャッターを切った瞬間に、取り込まれた映像とメーカーが作った数千パターンの作例を照合して最適な絵作りで書き出してくれる。そうでなくともカメラメーカーそれぞれの色作りが違う。
ここで一度進化の針を戻したい。いっそのことなら「白黒時代」から写真をやり直したい。