赤い砂の降る街アテネ

ギリシャ国土にはアフリカからの季節風に乗って赤い砂が舞い降りる。おかげで慣れない訪問者は、くしゃみとアレルギー反応に悩まされる。もっとも悪い話ばかりでない。砂に埋もれたおかげで2500年以上の永きに渡り遺跡は守られてきたわけだ。

残念なことがもう一つ。パルテノン神殿を飾る像など多数を、当時の宗主国である英国が持ち去ったままで、未だ返還されていない。エジプトの遺跡も同様である。持ち去った宝物・彫像などは英国の大英博物館に鎮座している。一部は返還されているが、それ以降返還する気がない。英国の立場は「大英博物館側は、合法的に取得したものであり、世界遺産として英国で広く公開することで、より多くの人々がアクセスし、より良い保存状態を保てる」(太字は"Gemini"調べ)と主張している。明らかに国際問題でもある。その罪に時効はない。

さて表題の赤い砂とは、下の写真でお分かりいただけるか疑問だが、アフリカからの風に乗って、町全体に火山灰のように降り積もる。行き交う車、街路は赤茶色のパウダーを振りかけたようである。前述のとおり、普段アレルギーとは無縁のわれわれでも、旅行者はみな喉をやられてしまった。

この日のアテネは砂でどんよりとした曇り空

アテネ・パルテノン神殿

遺跡に群がる観光客

アテネ国立博物館

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