ミノルタは最高に心地よいカメラだった。視野率100%、1/12000sのシャッター速度に度肝を抜かれた。きょうは”Minolta α-9”について。特に各社に先駆けて発売したミノルタ製の80-200mm、F2.8は写真家の鉄板レンズ(1985年発売)。これがロケ撮影にベストマッチした話。
スタジオ写真が徐々にマンネリ化してくると、我々はスタジオから飛び出し、開放感のある海辺やお花畑に出かけた。記録では1986年頃のこと。顧客であるお客様に自由に振舞ってもらい、こちらはいい瞬間だけを切り取る。それしかできない。このレンズのお陰で、お互い気にならないカメラ・ディスタンスが生まれた。介入されない自由を得たわけだ。
重たい水晶ガラスレンズを、瞬時に駆動してピントを合わせてくれる。自重をものともせず、「ジージー!」と音を立てながら非回転超音波振動モーターは働き続ける。この当時はいかに正確に一往復以内にピントのピークを見つけるか。これに各メーカーは血眼になっていた。

ミノルタ製オートフォーカス最終機"αー9"
ミノルタ好きだが、仕事はもっぱら"NIKON"、"CANON"、"PENTAX"などを使う。しかしここ一番はミノルタの登場だった。