クリフォード・コフィン

とても美しいセピアプリントで、モデルの一瞬の仕草がたまらなく魅力的。しばらく作品の前で佇んだのを記憶している。この作品はコフィンが会計士を辞めヴォーグのカメラマンとして活躍を始めた頃。パリの1940年代は、戦後の爆発的エネルギーが開花し、エネルギッシュな時代を迎えた。ニューヨークジャズの誕生とも符合する。

彼は「野性的で風変わりなボヘミアン」。そう評価されている。実は同性愛者で薬物依存だったともいわれる。だからこの写真が撮れるのか、モデルの虚ろな表情を見事にとらえている。

彼はオードリーヘップバーンを最初に撮った写真家であるとの逸話が残る。オードリーがバレーのレッスン費用を稼ぐため、モデルの仕事をしていて出会ったようだ。

写真は2000年に大阪で開かれたコフィンの写真展で手に入れた複製プリント

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