幹夫君は神戸商船大を卒業し20年、経験を重ねめでたく巨大タンカーの船長になった。そこから彼と僕の付き合いが始まった。しばらくして米国西海岸でタンカーから油漏れの事故を起こし拘留された。ようやく日本に帰り酒を酌み交わし祝ったが、その数年後、航海中に自室(船長室)で心筋梗塞を起こし、誰にも看取られずそのまま亡くなった。
その彼からは、世界中のメーカーの熟成度25年以上のウィスキーを飲み比べながら、オトナの味わい方を教わった。船乗りにはやはりスコッチが似合う。
「長い航海、一人呑む時間が至福やなあ」
「今度は最高のラム酒を買って来るわ」
そう語る海のプロを羨ましく思った。

商船大練習船「日本丸」神戸メリケンパークで