親鸞(しんらん)

五木寛之の「親鸞」五部作を読み切った。新聞連載をまとめて出版されたのが2010年。

親鸞を縦糸にし、後白河上皇の時代をリアルに描くこの作品。中味はとても語れないほどダイナミックで面白い。鎌倉時代は大きな歴史の転換点。平家の凋落と武家の台頭により、皇族がたびたび権力闘争に巻き込まれた。本作中に登場する「六波羅探題」など、受験のために覚えたに過ぎなかったが、私の認識は見事に吹き飛ばされた。この行政機関は表向き幕府の西日本の御家人を統治することであったが、本来は承久の乱によって混乱した朝廷の監視が探題の裏の任務だった。

amazon.co.jpより

これほど大胆に歴史に切り込むことが出来るのはさすがで、登場人物や歴史的事象が変わるたびにネット検索が必要なほど読み応えのある作品。

 

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