作者は台湾国籍だが、日本人以上に日本語を駆使して作品を書き上げた。第165回芥川賞受賞作。内容は一部しか説明できないが、ご容赦ください。
島に流れ着いた女性が見た光景を描く。二ホン語(日ノ本の言葉)と女性語が入り乱れ、漢字には独特のルビが振られている。読みにくさも際立つが、李琴峰(作者)は日本語と中国語を駆使して物語を進めていく。台湾の日本統治時代を懐かしむようなスタンスだ。何が正しくて何が悪なのかを超えた世界を描きたかったのかもしれない。
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