会員誌VISA「福岡伸一の森羅万象ミステリー・オブ・ライフ」
毎回楽しみにしている福岡伸一氏(生物学者)のエッセイ「ミステリーオブライフ」。添えられているイラストもすごく素敵だ。
今回の記事にも語られる「エントロピー増大の法則」。これは生命体だけでなくすべての事物は、ほっておくと乱雑、無秩序な状態に向かっていく現象を指す。果たしてそうなのか。この世界はカオスであり、宇宙の状態もそうなのか。それを極めてきた氏の答えは実に明解だ。
「動的平衡」の概念。言い換えると「自らは崩壊しようとする力に必死に抗おうとする」。これが「生命とは何か?」の問いに対する答えだという。分子レベルで生命体を観察してきた生物学者の答えは真に的を得ている気がした。