シェエラザード(短編集「女のいない男たち」より)

思わずうなった。村上春樹の短編から以下のフレーズが飛び出してきた。レイモンドカーヴァーの短編集(村上春樹訳)の名訳にも心酔しているが、またしても短編の在り方を学んだ気がする。そして、この作品は男性から見た女性の特質を巧みに表現している。

下の太字部分は村上春樹著「女のいない男たち (文春文庫)」 Kindle 版.より抜粋。

「女 を 失う という のは 結局 の ところ そういう こと なの だ。 現実 の 中 に 組み込ま れ て い ながら、 それでいて 現実 を 無効 化 し て くれる 特殊 な 時間、 それ が 女 たち の 提供 し て くれる もの だっ た。」

 

青い薔薇 自作2006(色相・色温度を変換し赤い薔薇を青く見せている)

世代が違うと、つまり今どきの小説家の描く世界はどうも言葉の羅列が乾いていて面白く感じない。つい斜め読みになってしまう。それに比べて春樹の小説は興味深く、目と耳が同時に共振する。

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