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写真のテーマ

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写真愛好家やスタッフからよく質問を受ける。

「写真を撮っても、画題がなかなか思いつかないんですよね」

その答えは簡単。

「画題を先に決めて写せばいいんです」

そう、テーマも決まっていないのに写すと、結果自分が困る。鑑賞する人は理解できず、

(写した人は何を伝えたいのだろう)

鑑賞者は写真の意味を探すのです。時に謎かけのように意味不明な作品であると、かえって何も感じられないのです。およそ表現者は、画題にも何かメッセージを込めるもの。

 かつて写真学校在学中の2年間は、毎月1本「課題」が出る。「お題」は、「秋」とか「雨情」など様々。また短い文章を写真に添える取材ものも出題される。2年間それを嫌になるほど繰り返していくのです。次第に毎月の課題に追い込まれていく。先にテーマが決められているので誤解はなかったが、写真の素材を探しあぐねて登校しなくなり、ほとんど放浪者となっていく者もいた。

「秋」という課題で、学生たちは休みをつぶして〈これこそ秋を感じさせるぞ!〉と野山を放浪し、対象を探す。とうとう課題提出ギリギリになってしまう。学校施設の暗室など悠長に使っていては間に合わなくなる。追いかけるように次月の課題が発表される。その結果、真夜中に自宅暗室でプリント作業にいそしむ。

画題のない写真

あの追い込まれていた時代が懐かしい。いまこうして毎日幸せに暮らしていると、写真学生時代とは全く正反対。創作態度はどこかに影を潜め直感だけで生きている。

画題のない写真

では画題とはいったい何であったのか。うまく答えられない。

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