「深夜特急」ーインド・ネパール編ー

著者は沢木耕太郎。以前から知ってはいたが最近初めて手にした。

このシリーズで諸国を旅から旅へと渡り歩くヒッピーたちの心の内を知った。

第8章カトマンズ編を一部抜粋しました。

ヒッピー たち が 放っ て いる 饐え た 臭い とは、 長く 旅 を し て いる こと から くる 無責任 さから 生じ ます。 彼 は ただ 通過 する だけの 人 です。 今日 この 国 に い ても 明日 には もう 隣 の 国 に 入っ て しまう の です。 どの 国 にも、 人々 にも、 まったく 責任 を 負わ ない で 日 を 送る こと が でき て しまい ます。 しかし、 もちろん それ は 旅 の 恥 は 搔 き 捨て といった 類 い の 無責任 さとは 違い ます。 その 無責任 さの 裏側 には 深い 虚無 の 穴 が 空い て いる の です。 深い 虚無、 それ は 場合 によって は 自分自身 の 命 を すら 無関心 にさ せ て しまう ほどの 虚無 です。

沢木耕太郎. 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】 (pp.123-124). 新潮社. Kindle 版.

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