僕が殺した人と僕を殺した人

昨日の続きです。肝心なところを伝え切れていなかったので。

気に入っている個所をわずかだが抜粋しました(以下太字)。

「…… どういう 意味?」 「この 身 は 菩提樹、 心 は 明るい 鏡台、 汚れ ちまわ ない よう に しょっちゅう 磨い てやら なきゃ なら ない―― てな もん かな。 それ を 見 た 弘 忍 は うなずい て、 ほか の 弟子 たち に 神秀 を 見習っ て 修行 に 励め とか なんとか 言っ た そう だ」

東山 彰良. 僕が殺した人と僕を殺した人 (文春文庫) (p.49). 文藝春秋. Kindle 版.

さすが本物の漢字を自由に扱える台湾人が羨ましい。作中にふんだんに登場する見たこともない漢字の数々が、新鮮なものとして目に飛び込んでくる。

前述の抜粋部分は、主人公の僕がさりげなく「空とは何か」を肉麺屋の親父を使って語らせるシーン。台湾人の漢字力をもってすれば「禅語」などいとも簡単に読解できるのだろう。

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