言語学者 田中克彦

氏は言語学者とされるが、他の学問領域に果敢に勝負を仕掛けた猛者だ。

以下著者の抜粋です。

「漢字の多用は『書き手の知識のひけらかし』及び『言葉の力の貧困さ』の証明」

もう一ヶ所著作「ことばと国家」より抜粋です。

民族の言語を、それとは知らずに執拗に維持し滅亡から守っているのは、学問のあるさかしらな文筆の人ではなくて、無学な女と子供なのであった。だから女こそは日本をシナ化から救い、日本の言葉を今日まで伝えた恩人なのであったと言わねばならない。

田中氏は以上のような論法で学者・作家たちと論争を広げた。漢字を廃止してカナやローマ字による日本語表現を提唱した。戦前の作家大川周明を思い起こさせるような強硬論者だ。しかし普段から漢字に苦労する我々にとって、この主張は時代を経たいまも新鮮に映る。

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