徳島にもジプシー・バンド”ルアージブルー”が活動している。バイオリン、ギター、コントラバスの三人です。
ジプシー音楽を聴くと、かつて遊牧民だったころの記憶がよみがえる。その哀愁を漂わせる旋律は、おしゃれな演歌だ。超絶技巧のギターだったり、バンドネオンも登場するとなおいい。
ブダペストで買い求めた安いCDは今も傍にある。ここにご紹介する”Alma Sinti”はそれをさらに洗練させたものになっている。今ではフレンチ・ジャズと呼ばれているようだ。Almaのアルバムのギタリストは日本人(コラボ演奏)。ある日心斎橋の行きつけカフェでホット・チョコレートを飲んでいると、とても存在感ある社長が現れた。
そこで直接アルバムの紹介を受けた。カフェのオーナーなのでした。長いモミアゲと口髭がともに日本人離れしており、おまけに百貨店にレザークラフト・ショップを運営するマルチタレント。
ハンガリー民族の歴史を一言で言ってしまうと、遊牧民とゲルマン人の混成チーム。いたるところにその痕跡がある。ローマ帝国の崩壊とともに、ハンガリー帝国が立ち上がる。もともと一千年前まではシャーマニズム自然崇拝であったが、キリスト教に改宗していく。一方隣国には騎馬民族最強のモンゴル帝国があった。
今はその彼らもヨーロッパ全土に渡り、ロマと呼ばれ、音楽も洗練されてきている。根深い差別の存在を聞くが、スペインなどロマの手を借りないとぶどうの収穫もできないという。