「日本語の作文技術」

同作は本田勝一の名著。出版は1976年。氏は朝日新聞で要職を務めたが、日本人として許せないほど悪行を働いた奴でもある。彼はかつて「従軍慰安婦問題」のでっち上げに加担したことでも有名だ。しかし、初版から半世紀を経て再びKindle版を買いなおすことに抵抗できない自分がいる。それほどの名著だ。

同作は「記者ハンドブック(共同通信)」とともに、物書きのバイブルとされている。本作中で最も注目した部分を以下に引用した。

紋 切 型 とは、 だれ かが 使い 出し、 それ が ひろまっ た、 公約数 的 な、 便利 な 用語、 ただし、 表現 が 古くさく、 手あか で 汚れ て いる 言葉 だ。 これ を 要所 要所 で 使用 すれ ば、 表現 に 悩む こと も 苦しむ こと も なく、 思考 と 時間 の 節約 が 可能 に なる。 それ 故に、 安易 に 使わ れ やすい。 しかし、 紋 切 型 を 使っ た 文章 は、 マンネリズム の 見本 みたい に なる。 自分 の 実感 に よら ず、 あり 合せ の、 レディーメード の 表現 を 借りる の だ から、 でき た 文章 が 新鮮 な 魅力 を もつわけがなかろう。

本多 勝一. <新版>日本語の作文技術 (朝日文庫) (pp.207-208). 朝日新聞出版. Kindle 版.

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