亡き父は書をたしなんだが、ときおり手習いの絵手紙を送ってくることもあった。父母への懐かしさがこみ上げる。
この絵手紙を受け取った息子の僕はたまらず、青森の両親の元まで飛んでいきたかったが一度目は思いとどまった。何年かの後、再び両親が酸ヶ湯を訪れたときは、我々も後を追うように三沢空港へ飛んだ。温泉までの道程にはまだ雪が残っていた。帰り道に4人で「棟方志功記念館」に寄ったことを思い出す。
夫婦に始まり、家族を作り、離れ離れになり、また夫婦に戻る。
今年、僕らは結婚50周年を迎えた。
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