コンパクトシティ

行政範囲の縮小化。この動きは富山市から始まったように思うが、その後全国に広まる気配を見せていない。

この発想は行政側にとってのメリットは理解できるが、逆に住民・事業者側にはデメリットもあるのでは。

一つの町が形成されるまでには長い年月がかかる。街を作り直すとなれば、「公益」と「個人の自由」のせめぎあいの中からプランが生まれる。

民主主義が理想的に機能するのは「人口3万人までの町で有効に機能する」といった議論がある。その理屈の出元は定かでないが、国政を眺めてみればこの議論もよく理解できる。既得権益が絡んだり利害が衝突すると、出来上がった政策は機能不全を起こしてしまう。少子化に歯止めをかけられない政府の施策がいい例だ。

富山市の取り組みも人口減と超高齢化、そして行政範囲の広大さと複合的な諸問題を抱えている。何かを生かせば、何かは失われる。

© 2024 阿部写真館 徳島本店,大阪本町靭公園前店,茨城プレイアトレ土浦店