「僕が殺した人と僕を殺した人」(再)

以前にもご紹介したが、去年読んだ中でこの小説は最も面白かった。エンタメ小説でありながら(2015直木賞受賞作)、人間の存在そのものに触れていて、さらにサスペンス要素もある。もう一つ付け加えるなら、戦前の台湾事情がこれを読めばよく理解できる。

年齢とともに読書スピードは落ちる。逆の見方をすると熟読しているといえる。記憶力は怪しくなってきたが。

YouTubeの刺激的タイトルに慣れてしまうと、「小説のタイトルとは何か」という根源的な問いかけが自分の中に沸き起こるが、活字文化をこれからも守りたいと願っている。

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