吉祥寺駅北口(武蔵野市本町)に広がるアーケードの一角に、ちょっと怪しげな飲食店の集まる路地がある。人と人が擦れ違いできないほどの道幅に、50件以上の飲食店が集まる。
路地を一巡しながら勘を頼りに店を決め、ドアを開ける。まだ6時前というのに常連さんと思しき2組の先客あり。我々2人が座れば、これでカウンター席は満席。マスターと目が合うと「きょうはおでんの日じゃないんです」、そんな答えが返ってきた。わけを聞けば週の4日はおでん屋さん、でも2日はフランス料理店なのだという。同じオーナーが2店舗を営むに等しい。同じ店で。その発想にワクワクさせられる。
店の名前も聞かなかったが場所は当りを付けている。次回もきっと寄るだろう。他店と緩やかな系列・協力店のグループを作っているとか。つまり、フランス料理の〆に他のグループ店からラーメンを頼んだりもできるという。消防・防災に疑問は感じるが、戦後の闇市を彷彿させるエネルギーを発散している。