6月の中旬、晴天で暑い日だった。ポルトガル中部トマール、ここにはポルトガル最大のキリスト教修道院がある。現地ガイドのXXさんにとっても自慢の世界遺産観光地なのだろうが、僕は館内のカビに反応してクシャミの連発だった。
当時の修道院は単なるキリスト教施設としてだけではなく、軍事上の要塞として建てられた。十字軍の進軍に対抗したテンプル騎士団はここに駐留し、イベリア半島奪還に貢献したという。
建物内部には自慢のタイルアートが飾られている。施設の管理は見事で900年前のものとは思えない。すべてが使える状態だが、住人であるはずの修道士はいない。