数年前ある縁ができて、しばらく奈良に通った。初めて訪れたこの室生寺五重塔は、奈良県を代表する山寺。ちょうど台風で被害を受けた五重塔の修復工事が終わったところだった。作家土門拳の写真作品「雪の室生寺」があるが、これはまたの機会に紹介する(秋田県酒田市の土門拳記念館で遺作が展示されている)。
この歴史的対象を気軽にスマホで写している自分が恥ずかしい。
この日は秋の穏やかな天候に恵まれて奥の院まで上ることができた。まるで修業のように急こう配の崖を登っていく。冬でも汗だくになる険しさで、参拝客を遠ざけるかのような厳しさがある。