僕のイタリア熱は、彼によって植え付けられた。愛すべき作品「ニュー・シネマ・パラダイス」(原題Nuovo Cinema Paradiso、1989年)。アカデミー作品賞受賞。この年ベルリンの壁が崩壊。そして翌年にはソ連邦の解体。とてつもない社会変革に晒されて、それでも映画のテーマは恋愛だった。
そして「海の上のピアニスト」(1999年)これでトルナトーレ熱は決定づけられた。
音楽はご存じエンニオ・モリコーネ
いまだにメロディーが頭の中に流れている。そこに描かれる主人公は、乾いた風土に熱いラテンのハートを持っている。
生きることに誠実な人々を描く恋愛映画の王道はここにある。
人は何かを愛さずにいられない
誰かを愛さずに生きる意味はない
相手の中にしか自分は生きられないことを教わった。