音楽ジャンルに新たな空気を持ち込んだのが「ロー・ファイ」。ブルーズのように4小節や8小節で完結するメロディを延々と続ける。別に名曲でもなければ迷惑でもない。聞き流すには最適。技巧を凝らそうとか、音質を高めようとか、"YouTube"上には必要ない。無駄を省いて静かにリスナーの心のすきまに届けばいい。その割切りは、シンプルさを極めている。
たしか2000年代初頭から始まったこの音楽ムーブメントは、"YouTube"のスタートで飛躍した。音楽はただの消費財に扱われてきたから、グローバル化への反動もある。
一方で、デジタル化に対するストレスから、世界中に「瞑想」が広まった。こうして"Lo-Fi"は多分に「瞑想」とリンクし、下に転載したスタイルのチャンネルも増えた。「積極的に独りの時間を楽しもう」。そんなメッセージが掲げられている。