フィルムカメラを懐かしむ -4-

2代目(亡き父)が生涯手放さなかったカメラは意外にもコレ。もっぱら主役級のライカやスーパーイコンタ、ローライコードは保管庫に飾られ、出番は少なかった。使い惜しむほどに愛情を向けていたということか。出動するのを見たことがない。保管庫には特別待遇のカメラだけ。そのこだわりも徹底している。カメラがなんと天地逆に置かれている。このほうが機械に油がよく回るという。こちらとしてはそれ以上、問い詰めたりすることは野暮だ。

従って、普段出動はもっぱらこの"MINOLTA"。史上初のオートフォーカス・コンパクト機。あくまで父にとってはサブ機という位置付けで、普段着感覚だったのだろう。いつもサイドバッグに忍ばせていた。誤解を招くので説明が必要だが、業務用撮影のメイン機はそもそも大型カメラである。カメラも機械だから、故障や不具合が起こった場合、サブ機が重要なのである。

Minolta Hi-Matic AF2

サブ機ミノルタはその後”Sony”に吸収買収され、ブランド名は消えたが技術は継承され、血脈は現代に受け継がれている。”Sony α”シリーズは世界一のカメラに上り詰めた。

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