AKOの詩3本

キンモクセイ

 

            「あなた」           AKO

遠くに聞く雲の音

心は音が聞こえません

風がそっと頬を撫で

心にそっとつぶやいて

無口なあなたをわからない

靴下に穴が開いています

黙ってポイと脱ぎ捨てる

黙ってポイと脱ぎ捨てる

わたしの心の風穴は

紡ぐ糸さえわからない

それでも

それでも

いつもあなたがいればいい

              「便り」             AKO

時々思うんよね

人間ってさ

生まれたときからずっと

何かに向かってる

いつも目標とか当てとか求めたりしてるようで

誰もかれもみんな行き先は同じ

最近疲れたのかな

「生きてる」ってことに

いつもじゃないけど

「だるいな」って感じ

でも

息することやめへんから

また朝が来る

腹も減るから飯食う

人が話しかけてくれたら

嬉しくなって返事する

沈黙がたまらなくなって

くだらん事喋る

一人でないから生きている

生きているから一人ぼっちはイヤだ

何かをしたいが

何も出来ない

出来ない自分が情けない

偉そうな事いってる自分が

恥ずかしい

一日を生きるというのは

本当に難しいね

               「勘違い」           AKO

この世に「自分らしい仕事」も

「自分に合った会社」も

ましてや「自分の人生」も

そんなものあるわけがない

君はそれを知っていたのか

それともまだ探し続けるのか

どうして辞めるんだ

震災の無力感が君を覆っているのか

そうだとしたら僕にも言葉はない

「未来に希望を持て」とも

「今を大切に生きよ」などと

立派な言葉を語る資格はない

でも辞めてどうするんだ

しばらくはゆっくり休むか

それとも「自分探し」の旅に出るのか

何も見つからなかったけど

僕もそうして「自分をむなしく」したよ

「虚しさ」をバネにして

ここまで来たのでもないが

いまここにいる自分が不思議だ

ひょっとして「勘違い」したまま

生きてきたんだろう

自分は「何者」で

「何処へ行こうとしているのか」

君が気付いたら

僕に教えてくれ

もう諦めるんだな

元気でな

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