再び「老人と海」

ヘミングウェイのノーベル賞受賞作となった名作。その一部をココに転載しました。

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いつも なら 陸風 の 匂い を 嗅ぐ と 目 を 覚まし、 服 を 着 て 少年 を 起こし に 出かける。 だが、 今夜 は その 匂い の 訪れ が やけに 早く、 これ は まだ 夢 の 最中 だ と 思っ て、 そのまま 夢 を 見つづけ た。 島々 の 白い 高峰 が 海上 に そそり立つ さま が 見え て き て、 カナリア諸島 の あちこち の 港 や 泊地 も 見え た。   いま は もう 嵐 の 夢 は 見 ない。 女 たち も、 大 事件 も、 大魚 も、 喧嘩 や 力 比べ も、 亡き 妻 も、 夢 には もう 出 て こ ない。 いま は ただ、 あちこち の 土地 や、 浜辺 で 戯れる ライオン しか 夢 には 現れ ない。 黄昏 の 浜辺 で 子猫 の よう に 戯れる ライオン たち。 老人 は 少年 を 愛する よう に 彼ら を 愛し た。 少年 の 夢 を 見る こと は まず ない。 やがて 老人 は 目 を 覚まし た。 開け放し の 戸口 から 月 を 眺め、 巻い て い た ズボン を ほごし ては い た。 小屋 の 外 で 小便 を し てから、 小道 を 登っ て 少年 を 起こし に ゆく。 朝 の 冷気 で 体 が 震え た。 が、 震え て いる うち に 体 は 温まる はず だ し、 どうせ じき に 小舟 で 海 に 漕ぎ だす の だ。

ヘミングウェイ. 老人と海(新潮文庫) (Kindle の位置No.212-220). 新潮社. Kindle 版)高見浩訳

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主人公は85歳の老人。100年前の男の世界。潮風が良く似合う。この名作が出版されたのが1952年。その数年後に彼は拳銃自殺した。

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