「掃除婦のための手引書」の作者ルシア・ベルリン (Lucia Brown Berlin, 1936年11月12日 – 2004年11月12日)は没後、2015年になってニューヨークで大ベストセラーとなる。
僕はヘミングウェイ以外、最近のアメリカ文学から遠ざかっていた。しかしこの本のタイトルに魅かれてダウンロード(Kindle)してみた。これがいけなかった。あまりの見事な翻訳に一瞬で捕まってしまった。
およそ外国文学は難解だ。その原因のほとんどが翻訳の分かりにくさ。そして習俗習慣の違いから起こる説明不足。慣用句などをストレートに翻訳されると意味不明となる。
いままで最高の英米文学翻訳は村上春樹氏のレイモンド・カーヴァー作品だと信じて疑わなかった。しかし僕の中で岸本佐知子さんの作品はそれを超えた。