ミュリエルの結婚から3年後、彼女の弟アレクシーの結婚が決まった。これでフランス行きは何度目だろう。すっかり馴染んでいる。挙式日はやはりヨーロッパが一番華やかな季節6月に行われた。パリからTGVで2時間半ほど。降り立った駅は”Macon Village”(マコン村)。ここから新郎の母敬子さんの車で、小麦畑しか見えない道を走ること30分。新婦の実家のある村へ。ここで唯一のカトリック教会で式を挙げる。彼には挙式までの2週間、教会ガーデンの清掃奉仕が義務付けられていた。またふたりで受けた神父の説教も1週間続いたそうだ。
キャロリーヌの家は典型的ななフランス中産階級の農家で、広大な敷地にプールやテニスコートが点在する。
花嫁支度のできたキャロリーヌが階段を降りて登場した。誰もが思わず息をのんだ。彼女のウェディングドレスをよく見て欲しい。日本の帯姿がテーマになっている。
ことばが見つからない。美しいという表現をはるかに飛び越えている。キャロリーヌはオードリーの再来ではないか!
きょう1日、彼女の専属カメラマンである僕は、手にする"CANON-EOS1Ds"がカメラブレを起こさないかと思うほど興奮していた。
村全体で祝う「シビルウェディング」はフランスでごく当たり前。自分の望む村で挙式が出来る。しかし教会への寄付と清掃奉仕が大変なようだ。
フランスの片田舎に有色人種はいなかったが、花婿の献身的な努力は村人の気持ちも動かしたはずだ。
我らカメラチームは頬をこすり合わせる挨拶が忙しかった。村全体で祝う祝宴。老いも若きも総出。敬子さんいわく、最後のダンスパーティが終わると夜が明けていたそうだ。