やっぱり阿刀田 高

無理を押して今どきの若手小説家の作品を数点読んだが、心理描写が長かったり、ユニセックス傾向の本ばかり手に取ってしまい飽きてしまった。相手に認めてもらいたいと嘆くような会話文に魅力を感じない。

こんな時は、「阿刀田高傑作短編集全5冊」これに限る。読めば自ずと唸る。阿刀田氏自らも語るように、飽きっぽい性格らしく短編ばかり書いている。

工場の煙突?(島根県)

1977年(場所の記憶がない)

世代がそうさせたのだろう。直木賞受賞者にふさわしく「読み物」系作家で、推理作家として認知されている。少しブラックなユーモアのセンスはピカイチで、意外性のある結末にビクリとさせられる。読者を喜ばせるサービス精神こそが小説の醍醐味だ。

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