自分不信

小説新潮の1月号に作品タイトル「雨の中で踊る」(作 : 森 絵都)が掲載されている。

彼女は第135回直木賞作家。初めて作品に触れてみて納得させられた。オーソドックスな文体に現代的なフレーズを散りばめ、パンデミックをも舞台に取り入れ、さらにヴィヴィアン・グリーンの曲も紹介している。終盤に垣間見せるささやかな救いに、クスッと笑えた。これは職業作家でなければ書けない。

写真は「本のひきだし」サイトより

作中に「自分不信」というフレーズに目が止まった。つまりは「落ち込む」こと。平成2年にデビューした彼女ならではの表現。平成人気質をもった控えめな表現を感じさせてくれている。

果たして、自分にこれほどの作品が書けるであろうか。挑戦は尽きないが、僕の人生残り時間は少ない。焦るばかりである。

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