SONY ”Cyber-shot DSC-RX100M7”

この機種のⅠ型が発売されたのが2012年。当時はソニー独自のHDR(※1)システムを前面に押し出し、我々は肉眼の補正機能を超えたと興奮したのを覚えている。ビデオ機能も搭載されており、当然飛びついたまでは良かったが、三年目に故障した(※2)。すでに修理保証期間を過ぎており、仕方なく数万円払って修理したが気持ちは裏切られた気分。そのうちⅢ型が発売された。また裏切られては辛い。1年待って中古を購入した。これも数年でビュー・ファインダーが壊れた。文句ばかり聞いていただいたが、現在はビデオを撮るスタッフたちが”α7R-Ⅴ”、”α9”をメインに使うSONY時代が到来している。

(※1) H.D.Rは”High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)”の略で、写真の明るい部分から暗い部分まで、一度に色再現できるコントラストの幅を広げる技術。真夏のビーチで白い砂浜も日焼けした顔も破綻なく同時に再現する。これまでは何カットか同じシーンを段階露出撮影したのちに、合成してトーンを作っていた。

(※2) 当時はソニー製品全般、数年すると必ず壊れるソニー・タイマーが仕組まれていると揶揄されていた。

最後に、当時のHDRの出来は"Nikon"・"CANON"など、オマケ程度。撮る前にいちいち細かい設定をしなければならなかったり、出来た画像に違和感があったりで、使い物にならなかったが、Sonyは完璧に、そして自然にレンジを拡げてくれた。電子シャッターの威力を見せつけてくれた。

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