1648年の「ウェストファリア講和会議」には全ヨーロッパの66か国が参加している。これ以降神聖ローマ帝国は崩壊。各連邦が主権を獲得し現在に至っている。この時に国家の主権・領土など国際法の基礎が出来上がった。そして宗教対立は一応の決着を見た。カトリックとプロテスタントの和解の瞬間でもあった。
我が国から見れば、神は唯一の存在などと主張するキリスト教世界は矛盾に満ちている。
結果として、この平和条約締結でも平和は訪れなかったわけだ。その後ふたたび1899年、「ハーグ陸戦条約」を締結し、戦い方、武器の定義、毒ガス禁止などを決めたが、我が国も批准している。しかし、これは結果的に海軍の軍備拡張を招いた。このときからSEA・パワー(海軍力)が国力を象徴し、世界を治めていくことになる。どこまでいっても根深い対立と矛盾の歴史。
この矛盾に満ちた世界を救うのは誰だろう。可否、善悪、愛憎、正邪、それらの二極性に捉われない生き方に何か見えてきそうだ。
内なる心の平安と世界の平和は必ずしも一致しない。それを統一できるのは宗教しかないのかもしれない。