老化とともに、活動領域が狭まってきている。それではと今度は小説を書き始めて3年。きっかけは我が社の創業80周年記念誌を自費出版しようと思い立ったこと。選んだテーマは初代創業者の伝記。好きだったおじいちゃん。しかし昭和11年の創業当時を知る証言者も親戚筋もすでに他界しており、物事はすんなりいかないと途方に暮れた。目指すところの再現までは困難であった。そこで不明な個所は一部フィクションにした。その執筆過程で様々な教訓を得たので、ここに記しておきます。
ズブの素人がどこまで書けるか。さてここからが本題です。よく聞かれる言葉、
「私は文章書くのが苦手で」
それは誰でも一緒。だからこそ書いてみよう。写真を撮る行為と文筆はよく似ている。骨格になる人物の動向描写と主人公の舞台背景を交互に描写すればいい。そして1年をかけて書き上げた。
素晴らしい文章は、説得力もあり簡潔です。
(これを書かなきゃ俺は死ねない)
そう思い込んで取りかかった。そして時間の束縛から解放されるために、
「朝の4時に起きよう。誰にも邪魔されずにその世界に入り込めば、絶対書ける」
まるで自分が一人前のつもりで述べたが、お許しください。
執筆の際に参考にした「文章作法」の中でも、いくつかの名アドバイスがあった。
海鳥まきさんのサイトに素晴らしい助言の数々から、「12の助言」を抜粋しました。
- 曖昧の「が」の禁止(私は彼にフラれたが、あきらめがつかない)
- 接続詞「ので」の禁止(晴れたのでピクニックに行こう)
- 指示語の禁止(この、その、あの、どの、ここ、そこ、あそこ……)
- 「思った」「感じた」「考えた」の禁止
- 特定できない「時間」と「場所」の表記の禁止
- 「AというB」の禁止(劣等感という感情が私を際限なく苦しめた)
- 「~と言った」の禁止
- 「頷いた」「振り向いた」「微笑んだ」の禁止
- 三点リーダーの禁止
- 文末重複の禁止(~だった。~だった。)
- 「~のような」の禁止(直喩)
- 「こと」「もの」「とき」の禁止(私にとって悲しいことだった。/それは嫉妬とも呼べるものだった。/私が彼に初めてあったとき…)