青年時代にこの絵に出会った。以来この絵の魅力に支配されたのか、この何気ない風景の魅力を自分も探してみたいと思うようになっていった。カメラを携え、たくさん放浪もしてみた。しかしこの絵の圧倒的魅力が眼前に立ちはだかり、超えることなどできなかった。それは、いくら眼に映る景色、つまり意識を外側に向けても見えるはずもない。それはもっと経験を重ね、僕の内側に湧き出るのを待つしかないのだと思い知った。そのココロは、
画伯はこの作品誕生当時、自分を見失うほどトコトン追い込まれていたのではないか。苦しみの中から進む絵のテーマを探し当てた瞬間、この道が出来上がったのでは。僕の勝手な想像だが。
そろそろ道が見えてくるかもしれない。