蔡 焜燦氏の「台湾と日本精神」小学館文庫

台湾の国旗(青天白日紅旗)

表題の蔡 焜燦氏(さいこんさん)氏は、日本人より「日本」を愛してくださる国際人実業家。2017年に90歳で亡くなられたことを知り、急いで買い求めたこの著作。以下著作より一部抜粋してご紹介します。

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日本統治時代の台湾では、日本語が強制されていましたから、台湾語は厠に隠れて勉強しました。まだ9歳か10歳だったと思います。そのころ、祖父と『論語』の素読をやりました。「先進」篇に「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん(生を知らないで、どうして死を理解できようか)」という言葉があるのを知り、子供ながらにイヤな感じがしたことを覚えています。生を肯定しすぎることは、利己主義や享楽的な人生をめざすことにつながりかねない。他方、日本の武士道は「武士道とは死ぬこととみつけたり」(『葉隠』)という有名な言葉が示すように、まず死を前提としたうえで、有意義な生を考える哲学があります。

日本の武士道が説く無私の精神に加え、後年キリスト教に入信することで、私は長年自分を苦しませてきた「私とは何か」という問題に、ようやく一つの答えを出すことができた。それは「我是不是我的我(私は私でない私)」というものです。自分の命はいつなくなっても構わない。台湾のために死力を尽くして働く。いかなる栄誉も求めない。こうした気持ちで仕事をしてきました。もちろん、これからもその覚悟です。

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著者はご自分のことを「愛日家」と語っておられます。日本人の中にこれほどの愛国心を持った人はどれほどいるでしょう。

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