またべスパの話。今日はベスパのフロント・サスペンションについて。
サスは路面の凹凸を吸収し車の進む方向を安定させる重要部品。このため高い剛性と柔軟さが求められる。
通常このショック吸収のバネは車輪の両側に付くが、ベスパだけは車輪の片側にしか取り付けられていない。航空機の車輪と同じ構造だ。それはなぜなのか。タイヤ交換を考えてのことだ。
その昔タイヤはよくパンクに見舞われた。すぐにでもパンクを修理できればいいが、バイクはそうもいかない。ところがベスパはタイヤ交換が5分でできる。
ベスパには最近のモデルまでスペアタイヤが積まれおり、それがトレードマークにもなっていた。
石畳の多い街中をベスパは飛ぶように走る。ショックを吸収しながら、なおかつハンドリングを安定させる足回りの優秀さ。ボディ構造とも相まって最高の乗り心地を約束してくれる。
前輪の反対側をご覧ください。サスペンションがない。気にするレベルではないが、右ターンする時と左ターンの場合の違いは感じる。しかし前輪ブレーキは実に安定した制動力を発揮してくれる。