村上春樹作品を読んで小説作法をまとめてみました。
(自画像 長野・上田にて)
- 「比喩」が上手い。絶えず表現を磨いている
- 英文翻訳を意識している
- 文体と言えるものはない。簡潔そのもの
- 言い方を変えて三度説明する
- 漢字は極力使わない。前後の漢字配置にも気を使う
- 本に仕上がった際の割付けに工夫がある
- 名文を適正配置する
- 「比喩」表現に相当の時間をかけている
- 人と違う行動パターンを提示することで、逆に(あるある)と思わせる技
- 同一段落では代名詞でよい。変わればもう一度固有名詞を
- 段落分けの技術、目安をしっかり持つ
- 繰り返し表現がリアリテイに繋がる
- ( )も強調表現のひとつ
- 強調したい部分はひらがなでた
- 句読点を使わず、あえて読者に読み直させる意図
- 意外な言葉や表現に頼らない
- 馴染みやすい文体を意識する
- 強調傍点多用
- 「 」も強調表現のひとつ
- 「 」の連続には句点は不要
- たわいもないシチュエーションで共感させる
- 人物描写はまず性格表現、次にエピソードで
- 慣用句を散りばめる
- シンプルで厚い人物描写
- 場面転換は改行形で
- ストーリーを繋げたまま順に人物描写
- 会話中「!」使用可
- エピソード中は会話も改行せず
- クロマルは正確に
- あえて過去形を使うことで意味を持たせる
- ひらがな一字、漢字一字を丁寧に置いていく
- 形容詞の連続に挑戦
- 主人公の紹介を一番後にまわす
- 改行はつまり作者の呼吸
- 究極の名文には作者自身が見え隠れする
- (らしい)・・・表現あり
- 「惹きつける」「引きつけ」使い分け
- とても長い強調傍点
- 彼は真に哲学者である
- 何度も言い回しを変える
- あっさりと、執拗に表現
- 大きな場面転換は アスタリスク
- 大事な箇所は紋切り型
- リアルな会話シーンでなければ改行不要
- 「?」はどんどん使う
- 長いセンテンスを時々散りばめる
- 人物描写は執念で
- 作者の考えと混同されそうな時、必ず固有名詞でクサビを打つ
- 回想シーンの会話はセンテンスに組み込む
- 新段落が会話から始まる時、字下げは?
- 人称を間違わない
- 「訊かれる」
- 「訊ねる」
- 読点なしは2行が限度
- カタカナのクロマルはきちんと
- 「それ・・・」で示すのが常套句
- 場面が過去に遡る場合、改段落”2”を使う
- 詩的な部分にこだわり
- 唯物的比喩
- 頻繁に強調ツールを
- ( )でリアリテイの補足
- 解釈の分かれる漢字、送り仮名はすべてひらがなに
- 回想シーンの会話にも「 」を使う
- 急な場面転換の手法は様々
- 「言辞」
- 状況描写は唯物的
- ? の後にはスペースを
- 丁寧な自己内面分析
- アスタリスクによる切り方は、過去の引用、挿話で使う
- 「悲しみ」と「哀しみ」
- 会話の強調はやはり改行だ
- 「ぴしゃり!」などの擬音も後述のカタカナとカブる場合、あえてひらがなで
- 仕草表現のファイルをもつ
- 「人生を書き換える」
- 漢字の用法は文節の美学
- たまには当て字も
- ヒチコックの映像がモチーフに
- 場面が元に戻る時、改段落は必須
- 体言止めの多用
- 棒かっこ ー ー
- 形容詞句の連続に真骨頂
- 若者言葉も意識
- 「分かる」「解る」「判る」
- 英語的表現
- 「もがきでる」
- 読者は作者と主人公の同化を垣間見る
- 意外性のあるフレーズ
- 悟りの表現
- 言い換えは三度
- 人物描写は一貫して即物的
- 書き手が陥りやすい人称。ポジションを絶えず確認する
- 和製英語には十分注意
- クロマルは6点
- おうむ返しのセリフには傍点
- ストーリーに関係なければ固有名詞を与えない
- 作者のスタンスは傍観者でなければならない
- 「傾げた」
- 登場人物の名前を探し続ける
- それは新たな人生観の披瀝だ
- 「あれ」
- 『 』は厳密に
- 「無」の意識をブラさない
- 大事な転換点は音楽で予兆
- 丁寧な自己内面分析
- 表現の立ち位置は唯物的に
- 形容詞区の繰り返し三度まで
- 引用文の前略・中略は3点リーダー
- 字下げは文章の呼吸
- 「『 』」は冒頭引用
- 登場人物には必ずフィロソフィーを埋め込む
- 魂と肉体の分離論者
- 「思弁的」
- 「学理的」
- 欧米の哲学概念を論じる気風必要
- 自由を体現するには「枠」を知ること
- 大切なところは答えを出してはいけない
- 強調のため過去中にあえて現在形を使用
- 主人公の会話は「」無しもある
- 「一九六〇」表記
- 「肩から提げる」
- 「山道を上る」
- 「速歩で歩く」
- 「素直な美しさ」
- 「深い没頭の中にいる人」
- スペース段落は読み手を意識して
- 長い話の中に長い話の二重構造
- 「そのような資質は持ち主にとって至福か」
- 「夕食を調える」
- 「帰せられる」人称
- 「ぷつん」
- 送り仮名を省略しない
- 「トークン」
- 「悟」を語る
- 「真実の情景」純粋理性批判を学ぶ
- おうむ返しは傍点
- 定義用法の定まっていない漢字は一切使わず
- 「考えるまい」
- 長棒の用法は引用のみか
- 引用文中の補足は[ ]
- 「目眩」
- 「いく」「行く」の使い分け
- 「ここ」「そこ」立ち位置の意識化
- クドイように感じるくらいに
- 「損ねる」
- 『ケミストリー』=化学反応=相性
- 話題の切れ目を空ける
- めぐりあい=邂逅
- 丁寧な会話文
- 仕草の表現でリアリティ
- 一旦言葉にすると単純化される
- 頻繁な傍点
- 細部に命を
- おうむ返しに傍点
- 「抽斗」
- 特徴的な段落
- 擬態語、擬音に必ず傍点
- 長棒の使い方。例えばの表現
- 「猊下」
- 「備えた」「具えた」
- 正しい日本語を使う意志
- 自問自答に傍点
- 「架空」
- 「分厚い」
- 特定の現実に傍点
- 場面転換スペース
- 「レコードを載せる」
- 「行われた」
- 紋切り型の強さ利用
- 「何ごと」
- 「親密な沈黙」
- 「空気の重いかたまり」
- 比喩表現で楽しむ
- 「中立的な静けさ」
- キザにいく
- 「現在という自制」
- 当て字は排除
- 強調のための改行
- カッコと同義の傍線
- 小説は認識作業
- 哲学は登場人物を利用して語る
- 感情表現は比喩で繰り返す
- 「歳」
- クロマル
- 場面転換スペース
- 主人公の思い入れが偏りかけたら三人称で切り抜け
- アルファベットは縦書き可
- いちいちどうでもいいことに執着心を
- ***アスタリスクの使い方
- 逆説的表現は作家の分別
- 人間の真実はちょっとした仕草に
- 音楽を利用すべし
- 重要な箇所は句読点なしで一気に
- 「中立的な笑み」
- 人物描写には作者の哲学が
- 人間観察業
- 「金の掛かった匿名性」
- 「怠りの無い光」
- 「叩いた」
- 「汲々とする」
- 「力尽く」
- 「アウトキャスト」
- 「二・三人」
- 小説はストーリーの骨格を決める人物像。それだけ
- こんな会話は起こり得ない。だから小説世界がある
- 紋切り会話も長棒で
- 「堅く密度の高い沈黙」
- 「尋ねる」「聞く」は人称を明確に
- 「二分的」
- 「的を射た」
- 主人公を客体視する
- 「沈黙の中に退く」
- 若者の心を惹きつける認識論
- 古風でもいい
- 作者のフィロソフィーは主人公以外の誰かに語らせる
- 独り言は傍点しかない
- 「静謐」
- 「悲しみ」「哀しみ」
- 時々人称を確認する
- 客観的で即物的であれ
- 「半目」
- 登場人物には先にキャラクターを与える
- (和製英語)ウィンクはダメ片目、半目
- いつも翻訳を意識して
- 「二重の孤立否定」
- 「人の心は夜の鳥」
- 「熟考は深い沈黙を要する」
- 「まるで国家の歴史の不備を詫びるように」
- 「痺れ」
- 「車を駐める」
- 「作りたての空気」
- 「素直で雄弁な輪郭」
- 「諧謔」
- 「沈黙する手」
- 現実より夢はリアル
- 「そこにある無言の思い」
- 「彼女は彼女自身を離れていた」
- 「赦し」
- 「無音の銀色の痛み」
- 「痛切な喪失を通り抜けない受容は無い」
- 「耳と心を傾ける」
- 「酷い」「護る」
- 「夜の思い雨の匂い」
- 「自分を空っぽの容器に」
- 「その時、その場面での本当に正しい言葉は遅れてやってくる」
- 「手の届かない遠い場所にある哀しみ」
- 「今日いちにち」
- 「人の生きるという行為の有様を素直に」
- 「静かな飾りの無い誇らしさ」
- 「歩みを停める」
- 「ディジタル」
- 「くぐもった」
- 「違和が生じる」
- 「密な重み」
- エンディングはフラッシュバックの連続
- 「含みを持った深い沈黙」
- 「ぶつっ!」と音が聞こえるようなエンディングにしたい
- 最後は「無」の情景で締めくくり
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